64.【11月17日(日)曇り時々晴れ】 伏見稲荷から東山トレイルを歩く 京阪稲荷駅→伏見稲荷大社→東丸神社→竹之下道→白菊の滝→一ノ峰→四つ辻→泉涌寺→阿弥陀ヶ峰・豊國廟→馬町→五条通り→京阪五条駅

 
サザンカ 名残のシュウカイドウ 白菊の滝から一の峰へ向かって 豊國廟 阿弥陀ヶ峰から清水寺を望む
   
キチジョウソウ
季節外れのモチツツジ 季節外れのホトケノザ 
   
名残のコウヤボウキ ヤマホトトギス 

 今日の山行には3つの目的がある。

1.これまで歩いた深草トレイルに東山トレイルをつなげること。
2.前回迷った国道1号線のトンネルの入り口を確認すること。
3.稲荷大社から泉涌寺、阿弥陀ヶ峰の紅葉(黄葉)の状態を観察すること。


 京阪稲荷駅から出発する。9時半頃なので、すでに駅はインバウンドで一杯。入山の儀式を私はここですませるが、女性用は長い列ができており、ユッキーは稲荷大社の境内で行うことにする。この先、東山トレイルは千本鳥居をくぐって進むのだが、行列が嫌なのでトレイル道を離れ、白菊の滝のほうへ回って一の峰へ向かうべく、境内から出て、南側のほぼ並行している道を進む。

 これが失敗だった。まず進んで行くと私有地なので中に入るなとの札がある。分岐の元に戻り、もう1つ南の道を進む。すると、また神社に行き当たった。中に入らないようにとの札がある。これは困ったと思っていたら、中から滝の行を終えた女性が現れて竹之下道への道を丁寧に教えて下さった。

 これで窮地を脱したわれわれは竹之下道に入り、弘法の滝、靑木ヶ瀧を経て白菊の瀧に向かうことができた。白菊の瀧の手前では猫が数匹いて、これらの地域猫を世話をしている方とお話をした。

 白菊の瀧から急な登りの階段道で一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と降り、四つ辻に到る。狭い鳥居の道はインバウンドであふれかえっている。四つ辻も同じ。ここが京都一周トレイル東山3-1である。ここからようやくトレイル道に合流し、北へ進む。

 泉涌寺に来たときに剣神社までのトレイル道を見失い、少し遠回りをして剣神社の前に到着する。ここからは前回11月13日に歩いた道と同じ道である。

 コンクリート道に来てからはユッキーが膝の痛みを訴え、これは困ったなあと思いながら、ゆっくりと進み、ようやく京女鳥部の森に来てコンクリート道から山道に入る。お腹も空いてきたのでどこで食べようかと考えているのだが、薄暗い森に入ると、蚊かブトが顔の前で飛んでいるので、ここではとても食べられないと覚悟して、阿弥陀ヶ峰で食べることにする。

 やっと豊國廟のある阿弥陀ヶ峰に到着した。今日のお昼は野菜サラダサンドとあんパン。今日も丹波橋のカスケードで買ってきた。コーヒーで頂く。

 食べ終わろうとしていたところ、シニアの方がやってこられ話しかけられてきた。この方が実に面白い方で、毎日阿弥陀ヶ峰に登って登山道の枝を払ったりしてお世話して下さっている方だった。

 われわれが清水寺やその舞台ばかりを見ていたら、この方は、「ここの枝を切ってあるのは、清水寺を見るためではありませんよ」と仰る。「高台寺のねねさんが豊國廟の秀吉さんをご覧になるためなんです。」


 祇園のお茶屋で生まれたこの方にいろんなことを教えて頂いた。例えば、この阿弥陀ヶ峰にはもともと阿弥陀堂があり、秀吉は本願寺からこの山を見て自分が死んだらこの山に葬ってほしいと言っていたことから豊國廟が作られたとか、この山は鳥辺野であり、かつてあちこちで遺体が埋められていたので、それが土に帰ってしばらくすると地面の下が空洞になるので、表面の土が陥落してあちこちに穴が空いているのだとか。

 この方と1号線のほうに一緒に降りることになり、降りる途中、「ほらこちらに、あちらに。明らかに猪が掘った穴と違うでしょ」と説明を受けた。確かに。ショートカットの登山道のところでも穴が空きそうなところがあり、「注意して下さいよ。うっかりしたらずぼっと足が入りますから」と脅かされた。

 その他、自分の若いときの色っぽい話も次から次と繰り出され、あっという間に一号線に到着した。トンネルの位置を確認し、ここでバスで帰られるこの方とお別れした。

 あとは、五条通りを進んで京阪五条から京阪で帰宅した。夕食は、カボチャと鳥肉のポタージュ。

 稲荷山の紅葉(黄葉)はまだまだという感じ。ただ、期待はしていなかったがまだ少しは花も見られた。中でもキチジョウソウの発見は今日の第一の収穫だった。今は亡き田中さんがこの時期に東山で見ておられたキチジョウソウ、ユッキー初見であった。ようやく寒くなってきたが、季節外れのモチツツジやホトケノザを見て、異常な気象と地球の行く末への不安がますます高まった。

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