2024年(令和6年)

闘病日記


1月30日(火)
 昨年10月26日に人間ドックで検査した中で「上部消化管X線(胃)にて所見を認めます。消化器科を受診し精密検査を受けてください」との指示があったので、京都駅前武田病院で予約して胃カメラによる精密検査を受ける。するとこちらが予期していない診断がくだった。「胃は問題ないのですが食道に問題があります。早期食道ガンの疑い濃厚です」。思わず言葉を失ってしまった。人間ドックでは、食道も十二指腸も「異常なし」と出ていたのに、なんで? 食道ガンはレントゲンではなかなか見つからず、内視鏡によるしかないとのことだった。
 自覚症状は全くなかったので早期の発見ということになるだろう。進行していないところでの発見は本当に幸運だった。
 食道ガンになりやすい人には以下のようなことが挙げられるが、私はそのすべてに該当していたわけではない。
1.お酒を飲むと顔が赤くなる人。
  これは該当する。「お酒を飲むと顔が赤くなりませんか」と医師からも真っ先に聞かれた。元来酒には強くないが好きなのでよく飲んでいた。これがよくなかった。アルコールからできるアセトアルデヒド(発がん物質)を酒の強い人はうまく処理できるのだが、酒に弱い私のような人間は、アルコール分解酵素(4種類あるとか)を少しか全くもっていないのである。
2.喫煙
  私は20歳台の10年ほどはタバコ(紙巻きタバコ、パイプ)を吸ったが、結婚を機にやめて以後タバコは吸っていない。従って、これが発症に影響を及ぼしたとは考えていない。
3.辛いもの
  これも私には該当しない。私は「辛いもの」が苦手で、間違っても担々麺は注文しない。
4.熱いもの
  これはやや該当する。しかし、熱いので有名な「茶粥」などは食べたこともない。
5.DNA、遺伝
  これは該当する。母は胃がんで64歳で亡くなったし、母方の系統にガンで亡くなった者が少しいる。
 結局のところ、私の発症には飲酒とDNAが関係していると思われる。それにしても、胃があやしいから精密検査をと指示されたおかげで食道ガンが見つかったわけで、運がよかった。

2月6日(火)
 生検の説明。食道ガンであることが確定。

2月13日(火)
 もう一度内視鏡で食道の患部を詳しく検査し、手術日を決定。執刀医のスケジュールの関係で3月ということもあったのだが、今週の金曜日が可能ということだったので、早くしてもらいたいとの思いから2月16日にお願いすることにする。

2月16日(金)
 手術日。手術は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれるもの。前日21時から絶食で、本日10時に病院に。説明同意書や入院手続きを経て病室に。早速点滴につながれる。手術は午後に。あとから聞けば1時間半ほど時間がかかったとか。鎮静剤(麻酔という言葉は使わないようだ)のせいかほとんどベッドに。

2月17日(土)
 内視鏡で手術跡を検査。水を飲むことはまだ許されていない。必要な水分、栄養は点滴から摂っている。夜になってやっと水・お茶を飲むことが許可された。ただし、ごくっと多く飲むと食道の傷口を通るときに痛みを与えるので、鳥が水を飲むように少しずつ飲む。通過するときには胸が痛い。

2月18日(日)
 朝から流動食が出た。おもゆ150g、塩パック0.5g、牛乳200cc、味噌スープ。痛みを覚えるのでゆっくりゆっくりと。喉が渇いていたからか、味噌スープ(具なし)がおいしかった。
 昼は、おもゆ150g、塩パック0.5g、オレンジジュース、ジュースブイ・クレスCP10。夕食は、おもゆ150g、塩パック0.5g、牛乳200cc、アップルゼリー。

2月19日(月)
 朝食:3分がゆ250g、梅びしお、みそ汁(白菜)、牛乳200cc、アップルソース、昼食:3分がゆ、蒸魚ホワイトソース、煮物(厚焼)、ヨーグルト70cc、夕食:3部がゆ250g、豆腐和風あんかけ、彩り野菜のたいたん、お浸し(キャベツ)
 栄養士の退院後の食事指導、執刀医の手術説明と今後の予定。

2月20日(火)
 5分がゆ250g、のりつくだに、みそ汁(大根)、牛乳200cc、果物缶(黄桃)。
 10時前に退院の手続きを取って病院を出る。